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観光業界の動向と現状のギャップについて考える


地域活性化にとって必要な要素は地域コミュニティの形成と地域経済の活性化。
どちらも欠かすことの出来ない要素ですが、地域経済活性化は本当に難しい。だからこそ自分が率先して取り組んでいきたいと思っていて、ここ最近はそんな事を考えながら色々活動したりしています。

 

もう国内需要には期待できないんじゃないの?

 

世界的な不景気の中、日本は円高で苦しんでいます。外貨を稼ぐ輸出業は円高の影響をモロに受けて大打撃。海外の人材を使うことで人件費をカットする試みも増えています。
しかし、それをすることで日本人の雇用が少しずつ減っていき、日本のお金は少しずつ海外に流れている。増税とか、年金もらえないとか、なんかそんなのがいっぱいありすぎてみんなお金を使いたがらない。貯金の傾向がすごく高まっていますよね。

いや、まぁそりゃそーだろ。とも思いますし、そんなもん内需に期待なんか出来るかボケ!と思うのが正常な感覚なんじゃないかなぁと思うわけです。じゃあ、どないすんねんと。

 

復活の一手を打てるのは観光業界だと思っている

 

内需がダメなら、外貨を稼ぐしかない。でも、輸出業は厳しい状況です。だったら観光業界が奮起するしかない!と。そう思ったので観光業界の集まりに参加してデータを集めたり色々しているわけなんですが、どうも業界全体が向いている方向に納得がいかない。

訪日外国人の40%〜45%は中韓人。今、政治的なアレコレで訪日中韓人は大幅減少しています。当然、観光業界は大打撃を受けます。そんな中、他の国の人を呼び込む施策を考えるのかと思いきや「反発して戻ってくるのを期待して、今後も中韓に注力していきます!」みたいな感じ。

ちょっと待てよと。そもそも40%〜45%もの中韓人が訪日する一番の理由は距離が近いからであって、特に観光業界の功績が大きいってわけでもないと思うんです。そして、両国と政治的な摩擦があるのは誰の目にも明らかだし、今後改善されていくかどうかなんて誰にもわからない。改善される事を期待するのは大いに結構だけど、もし改善されなかったらどうするかを現時点で全然考えられていない感じが心底リスキーだな…と。

 

他の国の人を呼びこむ施策は?

 

そもそも、日本は旅行したいランキングでも上位に入る国。震災の影響で訪日外国人は減少しましたが、それでも世界的に見ても「安全」なイメージを持たれている誇り高き国です。

ただ、「旅行したい!」という気持ちと「実際に旅行する」という行動にはギャップがあります。様々な原因があるとは思うのですが、個人的には大きく分けて3つあると思っています。

 

1.遠い(航空券が高い)
2.言葉が通じない(ほとんどの人が英語を話せない)
3.物価が高い(ただでさえ航空券が高いのに、物価も高いから厳しい)

 

1.遠い

 

正直、遠いってのは改善しようがないものなので仕方ありません。ただ、今は安い航空券が出てたりしますし、航空券にかかる費用という面では改善されてきています。

 

2.言葉が通じない

 

これ自体は、オンライン英会話の普及などで徐々に改善されていきそうな気がします。最近自分の周りを見ていても、英語に意欲的に取り組む人が増えているような感じがしますので、時代が解決するのを待つしかないですね。なにか出来ることがあるとすれば、例えばホームページを多言語対応させるとか、そんな程度な気がします。

 

3.物価が高い

 

次に物価。これも円高なので難しいところがあります。しかし、考えてみると滞在時にかかる費用は大まかに「宿泊費」「飲食費」「その他移動費やショッピングなどの雑費」に分けることができて、日本人の感覚からしても「宿泊費」がべらぼうに高いなぁという感じ。

もちろん、高級ホテルに宿泊するようなお金持ちの人は大いにお金を使っていただけるとありがたい限りなんですが、「そうじゃないけど日本行きたいねん」と思ってる外国人の方も結構いる。ここは改善の余地があると思っています。

 

実際に最近増えてますが、ゲストハウスとかシェアハウス受け入れの増加が有効策だと思っていて、これを促進することで「そこまでお金持ちではないけど日本に行きたいねん」という層を獲得できるだろうと。仮にこれのせいで高級ホテルに行かない人が増えたとしても、その分をショッピングとかで使ってもらえたり長期滞在につながれば日本側にも十分メリットがある。

長期滞在した経験は必ず母国の人々にフィードバックされますし、それが更なる訪日外国人を生み出す。地道だし結果が出るまで時間がかかる施策だとは思いますが、リスクマネジメントの観点からも必要な事だろうと思っています。

 

隣の芝は青く見えるもの

 

今の日本人は、商店街よりもスーパー。伝統よりも新しいもの。みたいな感じの人が増えてきていると感じます。別にそれが悪いことだとは思わないですし、ある意味当然なのかなと思ったりします。中には古き良きものを守ろう!と声をあげる人もいます。僕は、その部分こそ外国人に気づかせてもらえるんじゃないかなと思ってます。

訪日外国人はスーパーよりも商店街に行ってみたいと思う人が多いでしょうし、日本の伝統に触れたいと思っている人が多いはず。個人的には「必死に守ろうとしないと守れないようなものは伝統とは呼べない」という持論を持っていますが、もし本当に守りたいのであれば補助金を使うとかそういう方向性ではなく、興味を持ってくれる外国人を集客する方向性のほうがみんなが幸せなんじゃないかなぁと思います。

 

結果、やっぱり大切だな!って日本人が気づけば自然に守られていくんじゃないかなと。「血税で補助するなんて!」って言う人は必ず一定数(それも無視できないレベルで)存在しますし、早くこういう方向で動いていくべきだと思います。

 

シェアハウスやりたい

 

海外旅行における団体旅行と個人旅行の割合には大きな変化が出てきていて、もはや個人旅行が7割に。
※観光業界としては(多分ホテルを守っていかなければいけないという面もあるので)、「団体旅行を盛り返していきましょう!」って感じでした。

 

多分、ここにあるのは日本人と外国人の「旅行」に対する価値観のギャップだと思います。日本人の多くは長期休暇を取れないので、「いかに短い日程で色んなところに行くか」というものが旅の目的になっています。反対に、外国人の多くは長期休暇を取れます。団体旅行のようなツアーで申し込むと、全てホテル宿泊になるので日数が多ければ多いほど莫大な旅費になる。

安宿(シェアハウスなど)に宿泊する事を前提にすれば、個人旅行にして航空券を自分で手配してしまった方が長期滞在予算が安くなるんですね。

個人旅行者が7割にも達している今、シェアハウスは十分やる価値があるでしょう。商店街の空き店舗を使う形でのシェアハウスはその中でも抜群におもしろいと思います。
ほったらかしてても何も生み出さない場所を使って、何かを生み出す。それが周辺の経済を活性化させるキッカケになりえる。素晴らしい。

もちろん、これを実現させるために超えなきゃいけない壁がどれだけ高いかは地域に関わり始めてるのでわかります。だけど、もし商店街側がこのアイディアに行き着いて「こんなのしよう」って言い出しても出来る人材なんてなかなか見つからないでしょう。そりゃ雇うとなれば話は別ですけどね。

 

うまいことそんなのが出来ればおもしろいなーとか思いながら、最近の日々を過ごしています。